くらしきコンサート

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2015/11/24

くらしきコンサートを彩る舞台花 その25

11月にはめずらしく雨が続いていましたが、ツィメルマンの公演日、ようやく上がり秋晴れの好日となりました。
ツィメルマンのスタインウェイが置かれたステージの上手奥には、今を盛りの紅葉が艶やかに生けられました。

今回の舞台花を生けてくださったのも、「すみれ花店」の高橋洋子さんです。
この長雨で紅葉が散ってしまっていないか、色づきはどうかずっと気をもまれ、早めに山から切り出して手元で色づくのを待った枝と、直前に山から切り出したばかりの枝の両方を準備されたのだとか。また紅葉の赤が足りない場合に備えて、わざわざ信州から真っ赤に色づいた雪柳も取り寄せられたそうです。中国地方ではこんなに色づいた雪柳は見たことがありません。

その時々の花材を最高の状態で生けたいというアーティストとしての気合が、見事な舞台花となって、ツィメルマンの究極のピアノと響きあったステージでした。
赤の紅葉を引き立てていたのは、真っ白なパンパスグラスと、緑鮮やかなシャガの葉。
そして、床には散り落ちた紅葉の葉。

終演後のアンケートで、お客様からこんな感想をいただきました。
「(今回演奏されたシューベルト最晩年の)ソナタ20番と21番ですが、その2曲の対照が、まるでステージの生け花のようだった。秋を彩る素敵な生け花ですが、その周りに散り敷いた葉も、生命を終えた美しさを感じられて、(生きてゆく気力に満ちた)20番と(静かに旅立ちを受け入れようとする白鳥の歌のような)21番との対照のように思われた」
美しくも、深く人生を感じさせるツィメルマンのシューベルトでした。

花材は次の通りです。

もみじ
雪柳
パンパスグラス
紅スモモ

シャガ
アイビー

ステージを彩る燃えるような紅葉。

ステージの上手奥でピアノを見守っているようです。

様々な花材が引き立てあって、絶妙なハーモニーです。