もしかしたら、クラシック・コンサートって、堅苦しいって思ってる?
たしかにロックやポップス系のライブみたいにステップを踏んだり「イェ~イ!」と叫ぶことはできないよね。
クラシック・コンサートは、基本的にマイクを通さず、楽器のアコースティックな音を、そのまま空間に響かせて披露される「音」の職人芸のオンパレード。繊細な音の一つ一つを聴きたいから、みんな静かにしているんだよ。クラシック・ライヴを楽しむまえに、みんなにもぜひ知っておいてもらいたいことをいくつか紹介するね。
その1.ファッション
クラシック・コンサートだからって豪華に着飾ることはないよ。でも、お友達と街に遊びに行く格好とはちょっと違う、ちょっとよそ行き、くらいのセンスを発揮させてみない?新しい自分を発見できるかも?学校から直接行く場合には制服のままでもちろんOK!
その2.開演に遅れてしまったら・・・
演奏が始まったら、ふつうはホール内には入れない。どんな事情があっても演奏者やすでに音楽に集中している人たちの邪魔はできないよね。じゃあ、いつ入ったらいいの?と不安になっても大丈夫!入場口やドア付近の係りの人が席につくタイミングを教えてくれるよ。できるだけ他の人の視界をさえぎらないようにすばやく低姿勢で進もう。暗いから足元には気をつけてね。
その3.荷物
ひざの上にのる程度ならいいけど、通路におかなきゃいけないほどの荷物はクロークという預かり所があるよ。貴重品以外は預かってくれるから利用してみて。花束も意外とホール内ではセロファンのカサカサが大きな音になっちゃうから終演までクロークで預かってもらおうね。
傘はどうしたらいいだろう?傘たてがなければ、備え付けのビニール袋に入れて、必ずシートの下に寝かせておこう。前のいすの背にひっかけたり、いすの間にはさむと、演奏中に「バッターン!!」大きな音がして周りに迷惑をかけちゃうかも。くれぐれも帰りに忘れないでね。
その4.撮影、録音、アラーム時計、携帯電話はNG!
時々ホールの中で、演奏者を勝手に撮影したり録音したりする人がいる。アーティストの肖像や演奏は、それ自体が価値を生み出す「財産」として法的に守られているものなんだ。だから、どろぼうをしているのと同じこと。そんなことをしなくても、ライヴならでは、美しい音楽の一瞬一瞬を心に刻める感性で楽しむことが大事だよね。もし客席にカメラや録音機をこっそり持ちこんで盗み撮りをしている人を目撃したら、すぐに会場の係員に知らせてね。
もうひとつ、ホール内で大ひんしゅくを買うのが、携帯の着信音。バイブレーターでも振動音がかなり聞こえるから「電源OFF」にしようね。アラーム付時計も事前にアラームの解除をお忘れなく。演奏中にスマホをいじるのはNG!画面が光って周りの迷惑になるからね。
その5.演奏中のおしゃべりはタブー
ホール内って、ひそひそ声でもびっくりするほど響くんだよね。感動したら、隣のお友達に伝えたくなっちゃう気持ちもよ~くわかる。でも、休憩中やコンサートが終わってからのほうが、気兼ねなくおしゃべりできるし楽しいよね!会場にいる他の人たちのためにも演奏中はお静かに。
あと、せきやくしゃみも響くんだ。でも、どうしても我慢できなくなったらハンカチを口に当てるだけもずいぶん違うよ。
その6.空腹
「ぐぅぅぅ~」空腹ってあなどれない。シーンとした会場で「おなかがなりそう・・・」と思うと冷や汗もの!もう音楽を聴くところではないよね。でもホール内では飲食厳禁。となると開演前に済ませるか、休憩中にロビーで何かつまむかだけど、そんな時間はないよ、という人はポケットにアメなどしのばせておくといいよ。とりあえず鳴きそうなおなかをなだめることはできるし、ホール内の空気はデリケートな楽器への配慮もあって乾燥気味にしているから、なめていれば咳止め効果もあるよ。ただし、アメの包み紙をあけるときには音に用心して、ポケットやかばんの中でそぉ~っと、ね。
その7.拍手とブラボー
拍手は、聴衆それぞれの意思表示。感動を演奏者にもっと強く伝えたい時には、スタンディング・オベーション(立ち上がって拍手すること)という世界共通の表現方法があるよ。立ったら後ろの席の人に迷惑かな・・・なんて遠慮はいらない。ちょっと勇気はいるけど、演奏者も笑顔でこたえてくれるんじゃないかな。あと、「ブラボー!」という声。上手なブラボーは会場をいっそう盛り上げてくれるけど、中には演奏の最後の音が消えないうちに叫んだりする人がいる。静かに終わる曲でこんなことをしたら音楽の余韻はぶち壊しになっちゃう。見栄だけのブラボーはマネしないで。大切なのは、キミ自身の本当の感動を表現し、伝えることだからね。