くらしきコンサート

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2011/12/12

第125回大原美術館ギャラリーコンサート ご来場ありがとうございました

12月10日(土)に第125回大原美術館ギャラリーコンサート「ミニ・オペラ プッチーニ『トスカ』」が開催されました。アンコール曲のご紹介です。

第125回大原美術館ギャラリーコンサート
ミニ・オペラ プッチーニ「トスカ」

出演
星野尚子(ソプラノ)=トスカ
木下紀章(テノール)=カヴァラドッシ
藤山仁志(バリトン)=スカルピア男爵
豊田華子(ピアノ)
※企画・構成・お話:わたべ さちよ(音楽プロデューサー)

■日 時  2011年12月10日(土) 18時30分開演

■会 場  大原美術館 本館2階ギャラリー

■曲 目
第1幕
アリア「妙なる調和」
二重唱「私たちの家を、懐かしくお思いにならないの?」
二重唱「清らかなトスカよ」
モノローグとテ・デウム「行け!トスカ!」
第2幕
モノローグ~カンタータと拷問の場
アリア「歌に生き、愛に生き」
第3幕
アリア「星は光りぬ」
二重唱「この優しい手が」「新しい希望に勝利して」

■アンコール曲
唱歌「ふるさと」

一段と冷え込みが増した師走の夜、大原美術館では今年最後のギャラリーコンサートとして、プッチーニの名作歌劇「トスカ」が、ピアノ伴奏によるミニ・オペラ形式でおこなわれました。物語の解説を交えながら、聴きどころとなる歌の数々をお楽しみいただく趣向です。

トスカ役のソプラノ星野尚子さんは、美しい歌姫の気高い愛を情熱的に歌い上げ、その恋人カヴァラドッシを演じる木下紀章さんも張りのあるテノールで、過酷な運命に立ち向かっていく一途な青年を熱演。そしてトスカに横恋慕するスカルピア役、藤山仁志さんの豊かなバリトンは、悪役にもかかわらず魅力的なキャラクターで客席を魅了していました。また、この3人に寄り添い、時にはリードしながらドラマを支えた豊田華子さんのピアノ演奏が、終始、生き生きと場面を盛り上げました。

本来ならオペラ「トスカ」は悲劇で幕を閉じる物語ですが、今回はあえて結末まで進まず、トスカがスカルピアの魔の手から逃れたあと、カヴァラドッシとの旅立ちを思い描いて、力強く希望を歌い交わすシーンでエンディングとなりました。
苦難の先に光を見出した恋人たちの歌声――それは、今まさに明るい未来を願う私たちの切実な思いと祈りに共鳴して、いっそう胸に響いたことでした。

そんな余韻の中、震災後9ヶ月となる「11日」の前夜ということで、締めくくりのアンコール曲に選ばれたのが、唱歌「ふるさと」。ステージと客席の声がひとつになって、夜の美術館に流れました。
今年、私たちはこの美しい日本の歌を何度耳にし、口ずさんだでしょう。
プッチーニの名曲がそうであるように、こうした私たちの心の歌もまた、未来永劫、歌い継がれていくにちがいありません。

♪次回ギャラリーコンサートは2012年1月14日(土)
第126回大原美術館ギャラリーコンサート
「池松 宏 コントラバス・リサイタル」 です。
ご来場をお待ちいたしております。

アンコール曲「ふるさと」を客席とご一緒に。

終演後、控室の前で。左から、スカルピア役・藤山さん、トスカ役・星野さん、今回の企画・構成と解説のわたべさん、ピアノ伴奏・豊田さん、カヴァラドッシ役・木下さん。