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2010/06/24

“ドイツ中学生体験リポーター” 行ってきました !! (ご報告) その2

お待たせしました。ヴッパータールご報告第2弾のお届けです。今回はホストファミリーで、ヴッパータール交響楽団のフルート奏者でもあるメルテンスさんのことをお話したいと思います。

今回のヴッパータール市訪問で2人にとって最も忘れがたい思い出となったのは、やはりなんと言ってもホストファミリーのメルテンス一家とのひとときでしょう。

ヴッパータールに到着して2日目、オーケストラのリハーサルを見学するため出かけたシュタットハレで、オーケストラのフルート奏者で、ホストファミリーのウド・メルテンスさんと対面。「クマさんのように大きな男性」「フルート奏者のイメージと真逆!」というのが、岡田さんが感じたメルテンスさんの第一印象です。
このたび上岡さんの一声で、日本から来た2人を預かることに決まったとか。陽気な性格のメルテンスさんなら、きっと2人を預けても大丈夫と上岡さんは思ったに違いありません。

リハーサル後、メルテンスさんの運転で一路メルテンス家へ。到着すると、ダイニングにはすでにランチのご馳走が準備され、奥様と2人の子どもたちがにこやかに一行を出迎えてくれました。一家の家族構成は、英語教師を務める奥様、高校生の息子さんのヨハネスくん、中学生のお嬢さんクララさん(岡田さんと同級生)の4人。子どもたちが少し恥ずかしがり屋なのは、なんだか日本人の気質とよく似ているかもしれません。
メニューはボロネーズソースのパスタに、豚肉のソテー(サワークリーム和え)、サラダ。すべてメルテンスさん(奥様ではなく)が昨晩時間をかけて準備してくださったとか。シェフ顔負けの料理に、皆舌鼓をうったのでした。

実はメルテンスさんは、このたった2日のホームステイをいかに有意義に過ごしてもらうかで随分苦労された様子。しかも、この2日の中には、コンサート本番も入っていましたし、一方楽しみにしていたヴッパータール唯一の名物、世界最古の懸垂式モノレールは、修理中で見学不可能と思いがけない番狂わせも。
そこでメルテンス夫妻は急遽相談し、ケルン大聖堂見学を決意。世界遺産のケルン大聖堂は、ヴッパータール駅から電車で20分と以外に近い距離のところにあり、岡田さんと長尾くんが今回とても行きたかったところです。見学時間は1時間しか取れそうにありませんが、なんとか大丈夫ということになり、テーブルの後片付けもそこそこに、ヴッパータール駅へと急行したのです。
しかし、予想外の道路渋滞で電車を1便見送らねばならず、駅では自動販売機での切符購入があまりに難しくて(ドイツ人にとってさえ)、メルテンス夫妻は駅構内を切符を求めて走り回り、ようやくケルン行きの電車に乗り込んだ時は、2人とも息は切れ、汗だくだくの状態に。私たちのためにここまでしてくださってと、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

その夜は、メルテンス家では2人を迎えて楽しい団欒のひととき。岡田さん(フルート)と長尾くん(ヴァイオリン)が、「早春賦」「中国地方の子守唄」「さくらさくら」を披露、メルテンスさんのフルートも加わって即興の合奏も行われました。岡田さんは、アンサンブルの楽しさを初めて体験できたそうです。その後、夜が更けるまでゲームで盛り上がり、楽しいひとときを。前日は24時間かけてドイツに到着したばかりというのに、睡眠時間も足りてないはず。実にタフな2人です。

翌日は、コンサート終演後イタリア料理店でのランチを済ませ、メルテンス一家の案内で、シュロス・ブルグという古城へ向けて1時間あまりのドライブ。そこでも、地元名物のワッフルを味わって欲しいと、事前にティールームの予約もしてくれていましたし、その後訪れたダウンタウンでも、メルテンスさんお勧めの「はちみつアイス」をいただき、ドイツのスィーツをたっぷり堪能できました。しかし、どの食べ物もドイツサイズで、食べきれないのがとても残念。そんなときも、メルテンスさんは自分の分をたいらげた上、クララさんの食べきれなかった分までぺろりと片付けてしまうのですから、びっくりです。いつも冗談を言って皆を笑わせるのが大好きなやさしいお父さん。メルテンスさんのことが皆大好きになってしまいました。

2日目の夜も日本の家族の紹介をするなどして楽しいひとときを過ごした2人でしたが、次の日にはもう帰国ということが名残惜しくて、なかなか眠れなかったとか。
そしていよいよお別れの朝、奥さん、ヨハネスくん、クララさんはそれぞれ学校があるので、家の前でお別れ。メルテンスさん1人が駅まで2人を見送ってくれました。小雨の降るホームでずっと別れを惜しみ、倉敷での再会を誓いあったのです。

メルテンスさんからお土産にいただいた、フルートアンサンブルのCD。やわらかな音色がやさしい彼の人柄を思い起こさせます。
皆さん、ぜひコンサート当日は「大きなクマさんのような」メルテンスさんを、ステージ上で見つけてみてください。

では、次回をお楽しみに。

メルテンス一家といっしょに

ランチはメルテンスさんお手製のボロネーズでした

大きなクマさんのようなメルテンスさん