くらしきコンサート

MENU

ニュース

2008/10/28

くらしきコンサートを彩る舞台花 その11

毎回、くらしきコンサートのステージに生けられている季節の花に目を止めた方も多いと思います。1996年の第41回くらしきコンサート「五嶋みどり&ロバート・マクドナルド デュオ・リサイタル」より、ほぼ毎回素敵な花を生けてくださっているのは、地元「すみれ花店」の高橋洋子さんです。数々の世界的コンクールで優勝した実力をもつ高橋さんですが、音楽という芸術を脇から支え、より素晴らしい舞台作りに一役買ってくださっています。

第82回くらしきコンサート「小菅 優 ピアノ・リサイタル」(2008年10月24日)のお花は、10月の色づく里山を切り取ってきたような鮮やかな作品に仕上がりました。
高い位置でライトを浴びて真っ赤に輝いているのは「イタヤカエデ」です。まるで子どもの手のような愛らしい形、その美しい赤は、若さあふれる小菅さんにぴったり。裾には今まさに緑から赤へ紅葉しようとするもみじのグラデーション。その合間にちらばる黄色の花のように見えるのは「マンサク」の葉です。春一番に咲くマンサクの花も可憐ですが、秋の葉色もなかなかです。そして、緑のもみじの間からは白い小菊が顔をのぞかせて野の風情を漂わせています。
当日は、この秋の景色と小菅さんの情感豊かな演奏とがあいまって、しっとりと、時にはドラマチックに、音楽が自ら物語を紡いでいくような素晴らしいコンサートになりました。

次回の作品もお楽しみに。

色づく里山のように鮮やかな今回の舞台花

マンサクの黄葉と白い小菊がアクセントに