くらしきコンサート

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2014/07/16

くらしきコンサートを彩る舞台花 その23

台風8号の影響で開催が心配されたスイス・ロマンド管弦楽団の倉敷公演当日。思いのほか早足で駆け抜けていったおかげで、オーケストラ一行も無事倉敷に到着し、開催にこぎつけることができました。とはいえ、台風一過の蒸し暑さは尋常ではありません。まとわりつくような湿気で、搬入作業にあたるスタッフも汗だくです。
こんな季節には「涼しさ」が一番。そこで会場に一服の風が吹くようにと涼しげなステージ花が生けられました。

今回生けてくださったのも、地元「すみれ花店」の高橋洋子さんです。
この季節の花、白や緑のアナベルをベースに、アガパンサス、ホサキナナカマドの繊細な花形が窓辺のレースのようにまわりを縁取っています。高い位置には夏山を思わせる紅葉の青葉が揺れ、ライトを受けてまるで木漏れ日のように花々に影を落としています。

そして高橋さん何よりのこだわりは、センターの赤い花でした。スイスの国旗をイメージした赤を入れたかったのだとか。どの花ならぴったりくるのかと思案した結果、アナベルにリンクさせて赤い紫陽花を入れてみましたが、いかがでしょう。涼やかな青葉の中に浮き上がる赤は、若きマエストロの熱いタクトに通じるものがありそうです。

また当夜の熱気は台風のせいばかりでもありませんでした。
圧巻だったのは樫本さんのヴァイオリンです。息をのむような熱演に満席のお客様の熱気もどんどん高まっていき、大拍手、大歓声が。それにこたえて、アンコールにバッハのガボットを演奏した樫本さんは「冷ますにはこれくらい軽くないとね」。後半も、楽団の伝統の輝きとマエストロの情熱が一体となった幻想交響曲に会場は酔いしれ、最後まで熱気が収まることはありませんでした。

夜風に当たりながら帰路につかれたお客様も、熱いコンサートの思い出とともに、涼やかな舞台花を、心のどこかにとどめてくださったのではないでしょうか。

使われた花材は次の通りです。
モミジ
アガパンサス(青・白)
アナベル(白・緑)
紫陽花
ホサキナナカマド
トルコキキョウ

次回の作品もどうぞお楽しみに。

青葉の中の赤い紫陽花が目を引きます

涼やかな風が吹いているような舞台花

この紫陽花に似た白い花がアナベル