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2012/10/09

第128回大原美術館ギャラリーコンサート ご来場ありがとうございました

10月6日(土)に第128回大原美術館ギャラリーコンサート「岡田博美 ピアノ・リサイタル」が開催されました。アンコール曲のご紹介です。

第128回大原美術館ギャラリーコンサート
「岡田博美 ピアノ・リサイタル」

出演
岡田博美(ピアノ)

■日 時  2012年10月6日(土) 18時30分開演

■会 場  大原美術館 本館2階ギャラリー

■曲 目
J.S.バッハ:フランス序曲(パルティータ)ロ短調 BWV831
ブーレーズ:12のノタシオン
ドビュッシー:プレリュード第2集より 霧
ドビュッシー:プレリュード第2集より 花火
矢代秋雄:夢の舟 [編曲:岡田博美]
矢代秋雄:ピアノ・ソナタ

■アンコール曲
ドビュッシー:夢想
矢代秋雄:夢の舟

ロンドン在住でヨーロッパを中心に演奏活動を続けている岡田博美さん。このたび矢代秋雄夫人の「矢代作品の演奏にかけては岡田さんをおいてほかにない」とのご推薦で、ギャラリーコンサート初登場となりました。矢代秋雄氏は、大原美術館創立30周年記念のための委嘱作品、ピアノ・ソナタの作曲者で、美術館とは縁の深い作曲家です。

1曲目のバッハのパルティータは30分を超える大曲。岡田さんの演奏は、「端正な」と表現するのがふさわしい、折り目正しい音の連続です。しかし決して単調にはならず、静かな興奮を伴って、胸に迫ってきます。2曲目は、ブーレーズの「12のノタシオン」。無彩色のバッハから一転、色彩豊かな音色が弾けて、会場の空気が一変。岡田さんはこの難曲を譜面なしで演奏。どうやって暗譜するのかと尋ねたところ、楽譜を1枚1枚「映像記憶」して覚えるのだとか。休憩を挟んで演奏されたドビュッシーは、モネや印象派の絵画と共鳴しあって、独特の世界を創りだしていました。そして本公演のハイライトでもある矢代作品の1曲目は、「夢の舟」という連弾曲を岡田氏が編曲したもの。日本の童謡を思い起こさせる懐かしいメロディです。それに対してピアノ・ソナタでは迫力ある低音から煌めく高音まで自在に操り、骨太な音で聴く者を圧倒しました。

終演後、矢代夫人から花束贈呈。鳴りやまない喝采にこたえ、アンコールで演奏されたのは、やはりドビュッシーの「夢想」。そして夢つながりで矢代秋雄の「夢の舟」を最後にもってきたあたり、計算されつくした美意識が光ります。

当日会場には、遠方からわざわざ駆け付けた熱心な後援会の皆さんが多数いらっしゃいましたが、演奏が終わってみれば、岡田さんに寄せられるこれほどの信頼と称賛もなるほどとうなずかされる、素晴らしい演奏に酔いしれる一夜となりました。

また、最後に本公演のピアノ調律を行った梅垣信夫氏にも、その輝くような音作りに絶賛の拍手が送られました。

♪次回ギャラリーコンサートは2012年11月24日(土)
第129回大原美術館ギャラリーコンサート
「ヨハネス・モーザー チェロ・リサイタル」です。
ご来場をお待ちいたしております。

印象派の絵と共鳴するドビュッシー

矢代夫人から花束が贈られました