ニュース 一覧へ戻る 2010/10/04 第120回大原美術館ギャラリーコンサート ご来場ありがとうございました GALLERY CONCERT 10月2日(土)に第120回大原美術館ギャラリーコンサート「ヨハネス・モーザー チェロ・リサイタル」が開催されました。アンコール曲のご紹介です。 第120回大原美術館ギャラリーコンサート 「ヨハネス・モーザー チェロ・リサイタル」 出演 ヨハネス・モーザー(チェロ) 高橋礼恵(ピアノ) ■日 時 2010年10月2日(土) 18時30分開演 ■会 場 大原美術館 本館2階ギャラリー ■曲 目 ベートーヴェン:チェロ・ソナタ 第4番 ハ長調 op.102-1 ブリテン:チェロ・ソナタ ハ長調 op.65 J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007 ブラームス:チェロ・ソナタ 第1番 ホ短調 op.38 ■アンコール曲 サン=サーンス:白鳥 フォーレ:夢のあとに 10月2日の公演は、演奏者もお客様も熱気に汗ばむコンサートでした。 (大原美術館では、会場展示室の空調作動音が演奏の妨げとならないよう演奏中は空調を切っております。ご来場の皆様にはたいへん恐縮ではございますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。) 美術館のピアノ「ベヒシュタイン」のふくよかな音色と対話するように、モーザーさんのチェロが力強く、あるいは繊細な気配りで物語を紡いでいくさまは、たいへん聴きごたえがありました。演奏者の動きを間近に見ながら二つの楽器の掛け合いを聴くと、それぞれの歌い回しやリズムの重なり方、すべてが意味をもっていることがよくおわかりいただけるのではないでしょうか。最終曲のブラームスも、モーザーさんと高橋さん、圧巻のコンビネーションでした。 喝采に応えて演奏されたのは、それまでの熱情から一転して会場の余韻をやさしく包む、おなじみの名曲。チェロの穏やかな響きが展示室の絵画ひとつひとつに「おやすみ」を告げるかのようでした。 しかし夜はこれから。終演後の食事会では、モーザーさんは熱演の疲れも見せず、目を輝かせて遅くまで音楽や美術の話に花を咲かせていました。 「音が静寂へ移っていく時間がとても重要なんです」--音は消えるのではなく、静寂という音楽になる。それを理解している聴衆は、拍手や歓声のタイミングを心得ているものです。今宵のバッハの無伴奏は、まさにその「静寂」あってこその美しさでした。 最後に「客席がステージにとても近い大原美術館の舞台は、演奏者としてはいかがでした?」と尋ねると、「音楽が自分とお客様の間を行き来する、とても良い“循環”が生まれていたように思います。客席がどんどんパワーをくださるから、演奏していても全然疲れないんですよ」と笑顔に。 倉敷の初秋の一夜、スペシャルな音楽が名画の空間に刻まれたことを、改めて実感した言葉でした。 ♪次回ギャラリーコンサートは2010年12月4日(土) 第121回大原美術館ギャラリーコンサート 「林 美智子&野平一郎 デュオ・リサイタル ~『女の愛と生涯』 シューマンの夕べ~」です。 ご来場をお待ちいたしております。 素晴らしいコンビネーションで会場を魅了したモーザーさん、高橋さん 終演後の食事を終えてホテルでパチリ(左から 招聘事務所スタッフ、モーザーさん、高橋さん、大原れいこ) 前の記事 次の記事
10月2日(土)に第120回大原美術館ギャラリーコンサート「ヨハネス・モーザー チェロ・リサイタル」が開催されました。アンコール曲のご紹介です。
第120回大原美術館ギャラリーコンサート
「ヨハネス・モーザー チェロ・リサイタル」
出演
ヨハネス・モーザー(チェロ)
高橋礼恵(ピアノ)
■日 時 2010年10月2日(土) 18時30分開演
■会 場 大原美術館 本館2階ギャラリー
■曲 目
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ 第4番 ハ長調 op.102-1
ブリテン:チェロ・ソナタ ハ長調 op.65
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007
ブラームス:チェロ・ソナタ 第1番 ホ短調 op.38
■アンコール曲
サン=サーンス:白鳥
フォーレ:夢のあとに
10月2日の公演は、演奏者もお客様も熱気に汗ばむコンサートでした。
(大原美術館では、会場展示室の空調作動音が演奏の妨げとならないよう演奏中は空調を切っております。ご来場の皆様にはたいへん恐縮ではございますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。)
美術館のピアノ「ベヒシュタイン」のふくよかな音色と対話するように、モーザーさんのチェロが力強く、あるいは繊細な気配りで物語を紡いでいくさまは、たいへん聴きごたえがありました。演奏者の動きを間近に見ながら二つの楽器の掛け合いを聴くと、それぞれの歌い回しやリズムの重なり方、すべてが意味をもっていることがよくおわかりいただけるのではないでしょうか。最終曲のブラームスも、モーザーさんと高橋さん、圧巻のコンビネーションでした。
喝采に応えて演奏されたのは、それまでの熱情から一転して会場の余韻をやさしく包む、おなじみの名曲。チェロの穏やかな響きが展示室の絵画ひとつひとつに「おやすみ」を告げるかのようでした。
しかし夜はこれから。終演後の食事会では、モーザーさんは熱演の疲れも見せず、目を輝かせて遅くまで音楽や美術の話に花を咲かせていました。
「音が静寂へ移っていく時間がとても重要なんです」--音は消えるのではなく、静寂という音楽になる。それを理解している聴衆は、拍手や歓声のタイミングを心得ているものです。今宵のバッハの無伴奏は、まさにその「静寂」あってこその美しさでした。
最後に「客席がステージにとても近い大原美術館の舞台は、演奏者としてはいかがでした?」と尋ねると、「音楽が自分とお客様の間を行き来する、とても良い“循環”が生まれていたように思います。客席がどんどんパワーをくださるから、演奏していても全然疲れないんですよ」と笑顔に。
倉敷の初秋の一夜、スペシャルな音楽が名画の空間に刻まれたことを、改めて実感した言葉でした。
♪次回ギャラリーコンサートは2010年12月4日(土)
第121回大原美術館ギャラリーコンサート
「林 美智子&野平一郎 デュオ・リサイタル ~『女の愛と生涯』 シューマンの夕べ~」です。
ご来場をお待ちいたしております。
素晴らしいコンビネーションで会場を魅了したモーザーさん、高橋さん
終演後の食事を終えてホテルでパチリ(左から 招聘事務所スタッフ、モーザーさん、高橋さん、大原れいこ)