くらしきコンサート

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2007/10/22

大原美術館のベヒシュタインとメルニコフ

ベヒシュタインをこよなく愛するメルニコフが、10月20日の夜大原美術館のギャラリーで出会ったピアノは、1901年式のヴィンテージ物のベヒシュタインでした。ヨーロッパでも見つけることが難しくなったこの年代のベヒシュタインが、こんなに素晴らしいコンディションで目の前にあることに大変驚いたそうです。

ゲネプロでは、ワン・フレーズを弾いただけでいかにも満足そうにピアノを離れ、あとはステージを取り囲む名画の数々を1つ1つ見て回りました。そして、ひとこと「この場所でドビュッシーを弾きたい」と洩らしました。

素晴らしいピアノに出会えたことで、この夜のメルニコフの演奏は大原美術館ギャラリーコンサートの歴史に残るものとなりました。「最高の出来だった」とメルニコフ自身もすこぶる上機嫌。CDジャケットにサインをお願いしたところ、「THE BEST PIANO is in Kurashiki OHARA MUSEUM」と書き添えてくれました。

ショパンが終わった後、休憩時間に演奏会場から出てこられたお客様は「素晴らしいものを聴かせてもらった。こんな音をこのピアノで聴くのは初めてだ。」と興奮していました。

終演後の食事会では、大好きな日本食に舌鼓を打ちながら、師であるリヒテルの思い出話に花が咲きました。同行のジャパンアーツの村田氏は長年リヒテルのアテンドを務めてきたベテランです。村田氏が初めてメルニコフに出会ったのも、リヒテルの家だったのだとか。以来ずっと村田氏はメルニコフを温かい目で見守ってきました。彼が師のような巨匠に成長する日も遠いことではなさそうです。

そして近い将来、大原美術館では、彼のドビュッシー・プログラムのコンサートが実現するかもしれません。

ジャパンアーツの村田氏とメルニコフ。

冷酒「荒走り」で盛り上がった食事会。大原姉弟とともに。

新譜のCDジャケットにお茶目なサイン!
よく見ると、瞳の中に「is」と「in」。