くらしきコンサート

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2019/10/15

くらしきコンサートを彩る舞台花 その30

毎回、くらしきコンサートのステージに季節の花が生けられているのに目を留めた方も多いと思います。
1996年より、20年余りにわたって毎回素敵な花を生けてくださっているのは、地元「すみれ花店」の高橋洋子さんです。数々の世界的コンクールで優勝した実力をもつ高橋さんですが、音楽という芸術を脇から支え、より素晴らしい舞台作りに一役買ってくださっています。

秋晴れとなった日曜日の午後、倉敷市芸文館では「五嶋みどり ヴァイオリン・リサイタル」(2019年10月6日)が開催されました。演奏前に行われるトーク・イベントを目当てに早い時間から大勢のお客様で会場が埋め尽くされています。席に着くとライトに照らされて白く浮かぶようにたたずむ舞台花に思わず目が引き寄せられます。

生けられたのは、秋の風情を感じさせる優雅な花、シュウメイギク。そしてその間を埋めるリンドウが華やぎを添えています。その紺とピンクの色合いは、本日のみどりさんの濃紺のドレスと響きあっているよう。そして白いシュウメイギクの清楚なたたずまいは、みどりさんにぴったりです。
くらしきコンサートに初めて登場したのは、まだみどりさんが二十歳の時。ベートーヴェンのソナタに挑むエネルギッシュな演奏ぶりが際立っていました。そして20年以上を経た今、その芯の強さはそのままに、しかし円熟の時を迎えてたおやかさが加わり、研ぎ澄まされた音は限りなく美しく響きます。

希望された方々の半数ほどしか手に入らなかったみどりさんのコンサートチケットですが、この素晴らしい演奏に出会えたお客様は、この上ない至福の時を受け取られたことでしょう。

みどりさんをそっと見守る秋の花々で、四角いコンサートホールの空間に「自然の風」を感じ取っていただけましたら幸いです。

今回の花材は次のとおりです。

シュウメイギク
リンドウ
スプレー菊
キイチゴ
雪やなぎ

次回の作品もお楽しみに。