くらしきコンサート

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第75回くらしきコンサート 大野和士指揮 ベルギー王立歌劇場管弦楽団

この公演は終了しました

EU(欧州連合)の本部ブリュッセルにあるベルギー王立歌劇場。通称”モネ劇場”。
再建されたのが造幣局の跡地だったことにちなんでお金を意味する〈ラ・モネ〉と呼ばれています。(画家の名前とは関係ありません)
しかし〈モネ〉は、俗っぽいマネーの金ではなく、いわば黄金の光の象徴です。ヨーロッパ屈指の絢爛たる内装装飾に勝るとも劣らない劇場の魂-そこに鳴り響く音楽-が、万人の心の闇を照らすかのように輝いてきたからです。古くはこの劇場で上演されたオペラに触発され、観客達が愛国心に燃えて革命を起こしベルギーの独立を勝ち取ったという史実があります。そして現在モネの魂は、その真価を世界に証明してみせた日本のマエストロ大野和士さんの活躍によってさらなる光を放っています。
かつて大野さんは、内戦に巻き込まれていくクロアチアでザグレブ・フィルとともに素晴らしい足跡を残しました。砲火の下で果敢に演奏を続け、市民を勇気づけたことは今もクロアチアの人々の記憶に深く刻まれています。
彼がそこで取り組んだマーラーの演奏は、ザクレブの街の雰囲気が作曲家のボヘミアの生地と似ていて、音楽的な共通点を発見できたことにも影響を受けたのだとか。「自分のレパートリーにおける分水嶺のような存在」と語るこだわりのマーラーも、今回注目の1曲です。
大野さんは若い時から本場での活躍を嘱望されてきた人でした。モネ劇場初来日のオペラ公演に先立って行なわれるこのオーケストラ・ツアーでも、同楽団の驚くべき潜在能力を開花させた大野さんの手腕を改めて日本のお客様に印象づけることでしょう。今年最大の話題のひとつである〈モネ〉の美しい芸術、われらがマエストロの凱旋公演にどうぞご期待ください。

公演情報

第75回くらしきコンサート

大野和士指揮 ベルギー王立歌劇場管弦楽団

2005年9月29日(木)19時(開場18時30分)

■会 場

倉敷市民会館

■プログラム

モーツァルト : 歌劇「魔笛」K.620 序曲
ラヴェル : ラ・ヴァルス
マーラー : 交響曲 第5番 嬰ハ短調

※演奏者の都合により曲目・曲順は変更になる可能性もございます。あらかじめご了承ください。

■入場料(全席指定)

  • S:12,000円
  • A:10,000円
  • B:8,000円
  • C:6,000円
  • D:4,000円

学生:1,000円〔小学生~25歳までの学生:当日指定・前売のみ限定100〕

◎車いすを使用される方は、ホール所定の専用スペースでご鑑賞いただきます。希望される方は、くらしきコンサートまでお知らせください。入場料として、本公演ではB相当8,000円を申し受けます。ただし、S席・A席を購入された方が車いすで来場された場合、B券との差額をご返金することはできませんので、あらかじめご了承ください。

※本公演の学生券は「郷土の中高校生にクラシック音楽をプレゼントする会」のご協賛により助成をいただいております。

■座席イメージ図(1864席/1996席 ※本公演はステージを通常よりも拡張しています。)

※座席表は倉敷市民会館HPよりご覧下さい。

※ご入場は小学生以上の方とさせていただきます。

※お子様のお膝の上でのご鑑賞はご遠慮いただいております。必ずお1人様1枚チケットをお求めください。

※当日は会場に託児所をご用意いたします。

プロフィール

大野和士(指揮)
Kazushi Ono

1960年東京生まれ。東京芸術大学で指揮を遠藤雅古氏に師事、バイエルン州立歌劇場にてウォルフガング・サヴァリッシュ、ジュゼッペ・パタネ-両氏に師事する。87年、パルマのトスカニーニ国際指揮者コンクール優勝。88年、クロアチアにてザグレブ・フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者に就任し、90年から96年まで音楽監督と首席指揮者を務めた。96~2002年はバーデン州立歌劇場で音楽総監督(GMD)として活躍。02年、ベルギー王立歌劇場(通称モネ劇場)の音楽監督に就任し、以来ヨーロッパの楽壇では気鋭のマエストロとして動向が注目されている。世界各地のオーケストラにも多数客演しており、オペラでもベルリン州立歌劇場、ボローニャ歌劇場に登場。日本においては、東京都交響楽団を経て(90~92年)、東京フィルハーモニー交響楽団の常任指揮者(92~99年)に就任、現在同楽団桂冠指揮者。
モネ劇場の今シーズンは、大野が昨年、南仏エクサン・プロヴァンス音楽祭で世界初演した日本のオペラ、細川俊夫の『班女』をオープニングに掲げ、ヴェルディ『アイーダ』の上演や、同歌劇場管弦楽団によるプロコフィエフ作品連続演奏会など精力的に活動を展開。文字通りの快進撃が続いている。
93年第1回渡辺暁雄音楽基金音楽賞、95年には東京フィルとオペラの日本初演を手がけた「オペラ・コンチェルタンテ・シリーズ」が高く評価され文化庁芸術祭大賞を受賞。97年出光音楽賞大賞受賞。99年クロアチア共和国文化勲章受章。02年第1回斎藤秀雄メモリアル基金賞受賞。

ベルギー王立歌劇場管弦楽団
Orchestre Symphonique de la Monnaie

300年の伝統をもつヨーロッパ最古の劇場のひとつ、ベルギー王立歌劇場(通称モネ劇場)の座付きオーケストラ。オペラ公演の合間を縫って管弦楽作品のコンサートを続けており、オペラのレパートリーを反映して、古典から近現代作品まで多彩なプログラムで活動している。
同楽団がオーケストラ・ピットからステージの主役へと転身したのは、1980年代にこの劇場の名声を世界にとどろかせた当時のモネ劇場総支配人、ジェラール・モルティエの大改革によるもの。サー・ジョン・プリチャールド、シルヴァイン・カンブルランらが歴代の音楽監督を務め、モーツァルト、ヴェルディ、ヤナーチェク、ワーグナーからハンス・ツェンダー、フィリップ・ブースマンス、ピエール・バルトロメといった現代作曲家までモネ劇場が得意とするオペラ作品に加え、シンフォニック・コンサートではモーツァルトはもちろん、ハイドン、ブルックナー、マーラー、バルトーク、ドビュッシー、ストラヴィンスキー、さらに数々の現代作品を演奏。また国際的な指揮者を定期的に招いて、ツアーもおこなってきた。
92年、モネ劇場の新総支配人ベルナール・フォックローは、若いアメリカ人指揮者アントニオ・パッパーノを音楽監督に指名。パッパーノは充実したオペラ公演と平行して、ヴェルディ『レクィエム』、メンデルスゾーン『エリアス』などの宗教音楽やオーケストラ曲も指揮した。
そして99年にモネ劇場でガラ・コンサートを指揮し、楽団や聴衆の圧倒的支持を受けて02年に新音楽監督にした大野和士は、その披露公演で"ブリュッセルの奇跡"と評される大成功をおさめ、すでに前任のパッパーノ時代を凌駕する勢いで新体制を築いている。披露演奏会では、大野の第1回斎藤秀雄メモリアル基金賞受賞を機に録音計画がスタート、同演奏会で取り上げられたマーラーの交響曲2番『復活』がライヴ録音され、異例の全世界発売へ。ベルギーで歓喜と熱狂を巻き起こした日本人マエストロとオーケストラの圧倒的なパワーを世に問う、大野の実質的なワールド・デビュー盤となった。