くらしきコンサート

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第77回くらしきコンサート クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル 

この公演は終了しました

ツィメルマンのこの言葉にはピアニストとしての真実があります。
彼がコンサート会場へ自分のピアノを運び込む理由は、あくまでもその「信念」に忠実だからであり、各ホールにあるピアノの性能が良いか悪いかを問題にしているのではないのです。

現代のピアニストの立場がヴァイオリニストと決定的に違うのは、偉大な音楽家が作曲した当時の楽器でその作品を演奏できない、という点でしょう。ヴァイオリンなら数百年の時を経てなお現役で活躍できるものがありますが、ピアノは時代ごとに様式も変われば音色も異なります。どれほどスコアに誠実であっても、弾く楽器によって表現が制約を受けてしまう。これでは作曲家の意図に近づくことが難しいと判断したのです。

しかし会場ごとに演奏曲目に合わせて楽器を改造するわけにもいきません。そこで長い研究と努力の結果、彼は自分のピアノを“特定の時代の美学”に合わせて微細に調節できるようにつくりあげて、その成果をどの会場でも完璧に再現するために手間を惜しまず持ち運ぶようになりました。作品に対して完全主義であることは、ツィメルマンにとって作曲家への最大の敬意であり、音楽に捧げられた全身全霊の愛の証なのです。

前回の来日から3年ぶり、コンサート・ツアーの少ない彼の貴重なステージです。世界屈指のピアニズムに包まれる至福の一夜をふたたびお届けいたします。

公演情報

第77回くらしきコンサート

クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル

2006年5月18日(木)19時(開場18時30分)

■会 場

倉敷市民会館

■プログラム

モーツァルト : ピアノ・ソナタ第10番 K.330
ベートーヴェン : ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」op.13
ラヴェル : 高雅で感傷的なワルツ
バツェヴィチ* : ピアノ・ソナタ第2番 ほか
※グラジナ・バツェヴィチ(1909~69)ポーランドの女流作曲家。ヴァイオリニスト。

※演奏者の都合により曲目・曲順は変更になる可能性もございます。あらかじめご了承ください。

■入場料(全席指定)

  • S:8,000円
  • A:6,000円
  • B:4,000円

学生:1,000円〔小学生~25歳までの学生:当日指定・前売のみ限定〕

◎車いすを使用される方は、ホール所定の専用スペースでご鑑賞いただきます。希望される方は、くらしきコンサートまでお知らせください。入場料として、本公演ではB相当4,000円を申し受けます。ただし、S席・A席を購入された方が車いすで来場された場合、B券との差額をご返金することはできませんので、あらかじめご了承ください。

※本公演の学生券は「郷土の中高校生にクラシック音楽をプレゼントする会」のご協賛により助成をいただいております。

■座席イメージ図(1996席)

※座席表は倉敷市民会館HPよりご覧下さい。

※ご入場は小学生以上の方とさせていただきます。

※お子様のお膝の上でのご鑑賞はご遠慮いただいております。必ずお1人様1枚チケットをお求めください。

※当日は会場に託児所をご用意いたします。

プロフィール

クリスチャン・ツィメルマン
Krystian Zimerman

1956年、ポーランドのサブジェ生まれ。5歳から父にピアノを習い始め、7歳~14歳はカトヴィーツェの音楽院でアンジェイ・ヤシンスキに師事。1975年にはショパン国際コンクールに史上最年少の18歳で優勝し、一躍その名を世界に知らしめた。
卓越した室内楽演奏家や指揮者たちとの出会いに恵まれたことは、ツィメルマンにとって最大の幸運であった。これまでに、ギドン・クレーメル、ユーディ・メニューイン、チョン・キョンファらの演奏家、またレナード・バーンスタイン、ヘルベルト・フォン・カラヤン、ピエール・ブーレーズ、カルロ・マリア・ジュリーニ、ロリン・マゼ-ル、小澤征爾、リッカルド・ムーティ、サイモン・ラトルら多くの指揮者と共演。特にバーンスタインとのコラボレーションは、13年間にも及び、ツィメルマンはバーンスタインと録音・演奏活動をおこなった最後のアーティストにして唯一のピアニストとなった。バーンスタイン、さらにカラヤンとの長期にわたる関係は、彼が音楽家として成長する上で貴重な経験だったといえる。また、クラウディオ・アラウ、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ、アルトゥール・ルービンシュタイン、スヴャトスラフ・リヒテルといった偉大なピアニストたちと親交を深めたことも、ツィメルマンの音楽をさらなる成長に導いた。

ツィメルマンは、ステージ上の演奏だけでなく、音楽家としてのキャリアに関わるすべてを自身の手でコントロールしている。自前のコンサート・ピアノを海外ツアーに持ち運ぶために、自ら技術的な改良も加えた。音響工学や最新の録音技術、そして楽器についても研究を怠らない。自分の目指す音楽、演奏に関するあらゆる事柄に責任をもとうとするこうした姿勢は録音においても同様で、1976年にドイツ・グラモフォンと専属契約して以来、数多くの優れたディスクを発表、権威ある賞を多数受賞している。

近年、演奏会の数は年間50回程度にとどめ、教育・指導や家族との生活に時間を振り向けているというツィメルマン。日本で彼の生演奏に立ち会う機会は今後とも限られてくるだけに、3年ぶりとなる今年の来日ツアーには早くも昨年から問い合わせが相次いでおり、ファンの熱い期待が寄せられている。