くらしきコンサート

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第79回くらしきコンサート ジョセフ・リン ヴァイオリン・リサイタル オライオン・ワイス(ピアノ)

この公演は終了しました

ある青年ヴァイオリニストのデモCDがニューヨークから日本の音楽関係者に届けられたのは、まだ9.11テロが起こる前のことでした。当時、試聴した音楽マネージャーはあまりの感動に「嗚咽をこらえて泣いた」と言い、その関係者たちの熱意によって日本への招聘準備が進められました。しかし来日直前にテロが発生。危ぶまれながらも実現した公演は聴衆の深い沈黙に包まれ、多くの人が目を赤くして聴き入ったそうです。日本で無名だった音楽家はたちまち業界のウワサになり、評判が静かに広がっていきました。
2004年、アルミンク指揮による新日本フィルと共演したチャイコフスキーの協奏曲では自作のカデンツァを披露。穏やかな修行僧のような容姿からは想像もつかない朗々たる深い響きに人々は息をのんだはずです。また同年秋の中越地震で被災した新潟のためにと、翌年1月には魚沼市を訪れ、復興支援のチャリティコンサートをおこなっています。
来日のたび、彼のヴァイオリンは底知れぬ力と癒しを聴衆の記憶に刻んできました。知性の高さを裏づける卓越した表現力、そこから泉のようにあふれ出る叙情が聴く者の魂をゆさぶるのです。派手なプロモーションもなく、彼はただ誠実に私たちの前に立ち続けます。その演奏に一度でも身をゆだねると、誰かに語らずにはいられない。それが、ジョセフ・リン。

あなたの大切な人と、ぜひご一緒に

 

ヨーヨーマからのメッセージ
ジョセフとは彼がハーヴァード大学の学生だった時に出会い、演奏を聴く機会に恵まれました。ジョセフは非常に才能あふれる音楽家です。演奏テクニックと専門分野の神学が結びつくことで、〈音楽〉と〈音楽の社会における役割〉についてユニークな見方がもたらされるのです。ジョセフの演奏テクニックと音色は素晴らしく、その演奏には徹底的な作品研究から生み出される洞察力と思慮深い表現が反映しています。
2000年にハーヴァード大学を卒業後、芸術性をより深める道を選択した彼は、ほとんどのアーティストがあまり通らない道を歩き続けています。音楽家仲間として、この特筆すべき若者の成長を見守ることは楽しいことです。みなさまが彼の演奏をお楽しみ下さることを希望しております。

公演情報

第79回くらしきコンサート

ジョセフ・リン ヴァイオリン・リサイタル オライオン・ワイス(ピアノ)

2007年6月5日(火)19時(開場18時30分)

■会 場

倉敷市芸文館

■プログラム

J.S.バッハ : 無伴奏パルティータ 第3番 ホ長調 BWV.1006
J.S.バッハ : ヴァイオリン・ソナタ イ長調 BWV.1015
* * *
フランク : ヴァイオリン・ソナタ イ長調

※演奏者の都合により曲目・曲順は変更になる可能性もございます。あらかじめご了承ください。

■入場料(全席指定)

  • 一般:5,000円

学生:1,000円〔小学生~25歳までの学生:当日指定・前売のみ限定100〕

◎車いすを使用される方は、ホール所定の専用スペースでご鑑賞いただきます。希望される方は、くらしきコンサートまでお知らせください。入場料として、本公演では一般相当5,000円を申し受けます。ただし、S席・A席を購入された方が車いすで来場された場合、一般券との差額をご返金することはできませんので、あらかじめご了承ください。

※本公演の学生券は「郷土の中高校生にクラシック音楽をプレゼントする会」のご協賛により助成をいただいております。

■座席イメージ図(879席)

※座席表は倉敷市芸文館HPよりご覧下さい。

※ご入場は小学生以上の方とさせていただきます。

※お子様のお膝の上でのご鑑賞はご遠慮いただいております。必ずお1人様1枚チケットをお求めください。

※当日は会場に託児所をご用意いたします。

プロフィール

ジョセフ・リン(ヴァイオリン)
Joseph Lin

1978年、アメリカ・メンフィス生まれ。4歳からヴァイオリンを始め、ジュリアード音楽院プレ・カレッジでシャーリー・ギブンス教授に師事。同音楽院を96年に卒業したのち、ハーヴァード大学の神学部に進み、2000年最優等で卒業。94年ゼネラル・モータース国際コンチェルト・コンクール、96年コンサート・アーティスト・ギルド国際コンクールでそれぞれ優勝。96年のアメリカ合衆国大統領芸術奨学生に選ばれ、99年にはプロ・ミュージシス・インターナショナル・アワードを史上最年少で受賞。翌年ハーヴァード大学からもルイ・サドラー賞を授与される。01年マイケル・ヒル国際コンクール優勝。04年には北京に渡り、フルブライト奨学生として古琴を学んだ。
小澤征爾指揮/ボストン交響楽団、キース・ロックハート指揮/ボストン・ポップスなどオーケストラとの共演ではすでに高い評価を得ており、ヨーヨー・マのシルクロード・プロジェクトをはじめ、ラヴィニア、タングルウッドなどの著名音楽祭に参加、01年には内田光子の招待でマールボロ音楽祭に出演している。
レコーディングでは、04年にデビュー・アルバム、05年にイザイ&バッハの無伴奏ソナタをリリース。(今後ブゾーニのソナタ、イザイ&バッハの無伴奏ソナタ第2弾を録音予定) ソリストの活動と併せて〈フォーモサ・カルテット〉のメンバーとしても台湾やアメリカ各地で公演しており、06年のロンドン国際弦楽四重奏コンクール第1位入賞を記念して、07年にEMIデビュー・シリーズにおけるCDリリースが決定している。
01年の初来日以来、日本各地で聴衆の心をとらえ、音楽関係者の間でも注目を集めてきた逸材。04年、クリスティアン・アルミンク指揮/新日本フィルハーモニー交響楽団とのステージでコンチェルトと無伴奏の本格デビュー・コンサートが実現し、大きな反響を呼んだ。05年に発売された無伴奏ソナタのCD『魂のシャコンヌ』は同年末の来日会場で飛ぶように売れ、この評判もあいまって人気が拡大。知性と誠実な人柄がにじみ出る演奏で人々を魅了している。ニューヨーク在住。

オライオン・ワイス(ピアノ)
Orion Weiss

1982年、アメリカ・オハイオ州リンドハースト生まれ。クリーヴランド音楽院でポール・シェンリー、ダニエル・シャピロなどに師事。ジュリアード音楽院を経て、現在はエマニュエル・アックスのもとで学んでいる。この間、クリーヴランド音楽院コンチェルト・コンクール第1位、ギルモア青少年芸術賞、ジーナ・バッカウアーおよびミエチスラフ・ミュンツ記念スカラシップ、ジュリアード音楽院ペチェック賞ほか多くの栄誉を授与されている。
99年クリーヴランド管弦楽団デビュー、同年アンドレ・ワッツの代役としてボルティモア交響楽団にも登場。2001年、名ヴァイオリニストのイツァーク・パールマンとカーネギーホールで共演。近年はクリストフ・フォン・ドホナーニ指揮/ロサンゼルス・フィルの招聘を受け、パールマン指揮によるイスラエル・フィルのツアー・ソリストにも抜擢された。05年にはアリス・タリー・ホール、ルーブル美術館のリサイタルで、ニューヨーク、パリにそれぞれデビューを果たす。この数年来、室内楽においても才能を発揮しており、次世代の大器として活躍が期待されている。ニューヨーク在住。