くらしきコンサート

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第81回くらしきコンサート アンネ=ゾフィー・ムター&トロンハイム・ソロイスツ 

この公演は終了しました

想像するだけで胸がときめきます。
『四季』といえば日本ではイ・ムジチ演奏の印象がありますが、ムターが1999年に録音した『四季』は、このバロック作品に対する私たちの先入観を完全に打ち破るものでした。カラヤンの秘蔵っ子として世にでたムターが過去に一度『四季』を録音したのは20年以上も前、やはりカラヤンの棒によるウィーン・フィルとの共演でした。音楽家として、ひとりの女性としても人生の年月を経て、彼女が自分の表現意欲を前面に押し出した新しい『四季』。フレキシブルで若々しい室内楽団とともに無修正一発録りのライヴで世に問うた情熱的な演奏は、カラヤンとの絆から解放されて歩んできた道のりの手ごたえ、ムターが全身全霊を投じた音楽というものへの覚悟と自負を高らかに宣言するようでもありました。

ムターの強靭なテクニックや演奏の艶やかさは改めて申し上げるまでもありません。今回は日本で初めて披露される弾き振りが大きな話題。彼女のハートを射止めたパートナー、ノルウェーの「トロンハイム・ソロイスツ」との共演で、気心の知れた間柄ならではの絶妙の掛け合いも楽しみです。

若い世代の音楽家たちと手を携え、自由の翼を得てはばたく”ヴァイオリンの女王”が音楽の喜びに輝く姿をごらんください。
彼らの幸せがそのまま私たちの幸せに結ばれる一夜です。

→JAPAN ARTS 公演詳細ページ(全国ツアー日程、ムター独占インタビュー記事)

公演情報

第81回くらしきコンサート

アンネ=ゾフィー・ムター&トロンハイム・ソロイスツ

2008年6月9日(月)19時(開場18時30分)

■会 場

倉敷市民会館

■プログラム

バルトーク : 弦楽のためのディヴェルティメントSz.113
J.S.バッハ : ヴァイオリン協奏曲 第2番 ホ長調 BWV.1042
ヴィヴァルディ : 「四季」--ヴァイオリン協奏曲集「和声と創意の試み」op.8より 第1曲~第4曲

※演奏者の都合により曲目・曲順は変更になる可能性もございます。あらかじめご了承ください。

■入場料(全席指定)

  • S:13,000円
  • A:10,000円
  • B:7,000円
  • C:4,000円

学生:1,000円〔小学生~25歳までの学生:当日指定・前売のみ限定〕

◎車いすを使用される方は、ホール所定の専用スペースでご鑑賞いただきます。希望される方は、くらしきコンサートまでお知らせください。入場料として、本公演ではB相当7,000円を申し受けます。ただし、S席・A席を購入された方が車いすで来場された場合、B券との差額をご返金することはできませんので、あらかじめご了承ください。

※本公演の学生券は「郷土の中高校生にクラシック音楽をプレゼントする会」のご協賛により助成をいただいております。

■座席イメージ図(1996席)

※座席表は倉敷市民会館HPよりご覧下さい。

※ご入場は小学生以上の方とさせていただきます。

※お子様のお膝の上でのご鑑賞はご遠慮いただいております。必ずお1人様1枚チケットをお求めください。

※当日は会場に託児所をご用意いたします。

プロフィール

アンネ=ゾフィー・ムター (ヴァイオリン / 指揮)
Anne-Sophie Mutter

1963年、ドイツ・バーデンのラインフェルデン生まれ。幼少よりヴァイオリンを始め、カール・フレッシュ門下の師に学んでドイツの正統的なスタイルを完璧に身につけた。ドイツ青少年コンクールなど早くから受賞暦を重ね、76年、13歳の時にルツェルン音楽祭で世界デビュー。そこでカラヤンに見出され、翌年にはカラヤン指揮ベルリン・フィルとの共演で、ザルツブルク聖霊降臨祭音楽祭にソリストとして登場した。以後、20代半ばまでカラヤンの影響を受けながら多くの著名音楽家と共演してキャリアを積んでいく。どちらかというとオーソドックスなスタイルで堂々たる正統派の表現であったのが、カラヤンの死後は、以前には見られなかった大胆で濃密な演奏が多くなり、個性的なスタイルを強く打ち出していくようになる。80年代終わりごろから積極的に取り組み始めた現代音楽の影響や夫の病死など、彼女をとりまく環境が大きく揺らいだ時期であり、カラヤン神話から解き放たれたムターの表現もまた、ひとりの音楽家の生き方として完成されていったと見るべきだろう。
伝統的なレパートリーはもちろん、聴衆にとって未知の新作紹介にも努めてきたムターは、これまでデュティユー、グバイドゥーリナ、ペンデレツキ、プレヴィンらが彼女に捧げたヴァイオリン作品を初演し、今後も新作の初演・録音が計画されている。また2007‐08シーズンはヨーロッパ、北米、アジアでの演奏予定が目白押し。アジア・ツアーではヴィヴァルディの『四季』とバッハのヴァイオリン協奏曲第1番・第2番を弾き振りし、ザルツブルクでおこなわれる「カラヤン記念演奏会」では小澤征爾指揮ベルリン・フィルとの共演でベートーヴェンの協奏曲を、北米ツアーではブラームスのソナタ全3曲でリサイタルをおこなうことになっている。さらに ドレスデン国立歌劇場管弦楽団、トロント交響楽団、フィラデルフィア管弦楽団、ロンドン交響楽団、コンセルトヘボウ管弦楽団、フランス国立管弦楽団、ゲヴァントハウス管弦楽団などの一流オーケストラと、エッシェンバッハ、プレヴィン、マズアらの指揮で共演が予定されている。
14歳でカラヤン&ベルリン・フィルとの共演によりドイツ・グラモフォンに初録音して以来、発表したアルバムは多岐にわたり、それらに対してドイツ・レコード賞、レコード・アカデミー賞、フランス・ディスク大賞、国際レコード賞、そしてグラミー賞などいくつもの賞が授与されてきた。モーツァルト生誕250年にはモーツァルトのヴァイオリン主要作品全曲を録音、各地でおこなったモーツァルト・プロジェクトはDVDに収録されている。
自身の演奏活動の傍ら、ムターはヨーロッパ各地の若い弦楽器奏者の育成を目指して1987年に「ルドルフ・エベルレ基金」を設立し、この活動は1997年に創設された「アンネ=ゾフィー・ムター財団」(本部ミュンヘン)に吸収されて世界的な事業展開を続けている。また彼女は医療・福祉問題にも関心を寄せており、多忙なスケジュールを縫って定期的に慈善演奏会をおこなっている。
こうしたムターの精力的な音楽活動が高く評価され、ドイツ連邦功労勲章一等、バイエルン功労勲章、オーストリア科学・芸術功労十字章、フランス芸術文化勲章オフィシエをはじめ多くの名誉ある表彰を受けている。
コンサート・デビューから30余年。ムターは現在も圧倒的な存在感で聴衆をとりこにしている"ヴァイオリンの女王"であり、その座は当分明け渡される気配がない。指揮にも目覚め、音楽への情熱と探究心をいっそう深めている彼女の動向は、常にクラシック界注目の的である。

トロンハイム・ソロイスツ
The Trondheim Soloists

1988年、ノルウェーのヴァイオリニスト、ビャーネ・フィスクム教授によって結成された室内楽団。トロンハイム音楽院において弦楽器奏者のプロ育成の場として活動していたが、欧米やブラジル、日本などへの演奏旅行によって国際的に知られるようになった。トロンハイム・ソロイスツは、バロックからロマン派の音楽に加え、タンゴやジャズ、ロック、現代音楽に至るまで幅広いレパートリーを誇る。母国ノルウェーの音楽を紹介していくことにも力を入れており、新作の初演もおこなっている。これまで20枚以上のアルバムをリリースし、100万枚以上を売り上げている実力派である。そんな彼らの名を一躍メジャーに押し上げたのは、アンネ=ゾフィー・ムターとライヴ録音したヴィヴァルディ『四季』のアルバムであった。その収録と平行して1999年春におこなわれたムターとのヨーロッパ・ツアーは絶賛を博し、各地の評論家たちによって両者の"ユニークで音楽的な関係"が大きく取り上げられた。アルバム『四季』と、弦楽器のために書かれたグリーグの全作品のCDは、グラモフォン、ファンフェア、フォノ・フォーラム、クラシックCD、ディアパソン=ハーモニーなど多くの雑誌でも高く評価され、またグリーグの録音では、創設者フィスクムが室内オーケストラ用に編曲した弦楽四重奏曲第1番の録音によって、フランスのディアパソン・ドール賞を受賞している。
2002年にトロンハイム・ソロイスツの音楽監督に任命されたオイヴィン・ギムセは、オスロ、ミュンヘン、ザルツブルク、ウィーンで学び、1991年から97年までトロンハイム交響楽団の首席チェリストを務めていた。国際的なソリストとしてムターも太鼓判を押す逸材だが、ギムセは詩や映像芸術、舞踊、演劇にも造詣が深く、それらと音楽の融合によってダイナミックな芸術を創造する独特の才能ももっている。彼がアンサンブルの求心力を担うことでトロンハイム・ソロイスツの音楽は表現がさらに多彩になり、メンバーの自発性も高まった。演奏からあふれ出る彼らのパワーとユーモアは、ムターをはじめ多くの共演者たちを惹きつけている魅力であり、何より聴衆に愛される人気の源になっている。