第84回くらしきコンサート
マリス・ヤンソンス指揮 バイエルン放送交響楽団 ソリスト/五嶋みどり(ヴァイオリン)
2009年11月7日(土)19時(開場18時30分)
■会 場
倉敷市民会館
■プログラム
ベートーヴェン : ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.61 (ソリスト・五嶋みどり)
チャイコフスキー : 交響曲 第5番 ホ短調 op.64
※演奏者の都合により曲目・曲順は変更になる可能性もございます。あらかじめご了承ください。
■入場料(全席指定)
- S:19,000円
- A:15,000円
- B:11,000円
- C:8,000円
- D:5,000円
学生:1,000円〔小学生~25歳までの学生:当日指定・前売のみ限定200〕
◎車いすを使用される方は、ホール所定の専用スペースでご鑑賞いただきます。希望される方は、くらしきコンサートまでお知らせください。入場料として、本公演ではB相当11,000円を申し受けます。ただし、S席・A席を購入された方が車いすで来場された場合、B券との差額をご返金することはできませんので、あらかじめご了承ください。
※本公演の学生券は「郷土の中高校生にクラシック音楽をプレゼントする会」のご協賛により助成をいただいております。
■座席イメージ図(1974席)
※座席表は倉敷市民会館HPよりご覧下さい。
※ご入場は小学生以上の方とさせていただきます。
※お子様のお膝の上でのご鑑賞はご遠慮いただいております。必ずお1人様1枚チケットをお求めください。
※当日は会場に託児所をご用意いたします。
マリス・ヤンソンス(指揮)
Mariss Jansons
1943年、名指揮者アルヴィド・ヤンソンスの子として、ラトヴィアの首都リガに生まれる。幼い頃からヴァイオリン、ヴィオラ、ピアノに親しみ、レニングラード音楽院を優秀な成績で卒業した後、ウィーンでハンス・スワロフスキーに、さらにザルツブルクでヘルベルト・フォン・カラヤンに師事。1971年にベルリンで、カラヤン財団主催の指揮者コンクールに入賞、翌年からレニングラード・フィル(現サンクトペテルブルク・フィル)を率いるエフゲニー・ムラヴィンスキーの助手となり、1999年まで常任指揮者に名を連ねた。
ヤンソンスが1979年から2000年まで首席指揮者を務めたオスロ・フィルは、彼によって世界トップレベルに変貌を遂げた楽団のひとつであり、ほかにもロンドン・フィル首席客演指揮者(1992-1997)、ピッツバーグ響音楽監督(1997-2004)のポストを歴任。また客演指揮者としての共演暦は世界中の主要オーケストラを網羅し、ウィーン・フィル、ベルリン・フィルをはじめ、ニューヨーク・フィル、フィラデルフィア管、クリーヴランド管、シカゴ響、ボストン響、イスラエル・フィル、ロンドン響、チューリッヒ・トーンハレ管、ドレスデン国立歌劇場管などがある。現在はバイエルン放送交響楽団(2003-)と、アムステルダムのロイヤル・コンセルトヘボウ管(2004-)において、それぞれ首席指揮者として精力的な活動を続けている。2008年、英国の音楽誌「グラモフォン」は、ヤンソンス率いるこれら2つのオーケストラを“世界のオーケストラ・ベスト・テン”にランキングした。
レコーディングは、EMI、ドイツ・グラモフォン、ソニーBMG、シャンドス、サイマックスの各レーベルと進めており、その多くが権威ある世界的な賞に輝いている。受賞ラッシュの契機となったのは、シャンドスに収録したオスロ・フィルとのチャイコフスキー交響曲全集で、今なお名盤として人気が高い。その後、レニングラード・フィル共演のショスタコーヴィチ第7交響曲が、欧州を代表するレコード賞、オランダ・エジソン賞(1989年)を受賞。ソニーBMGからは、バイエルン放送響とのライブCDをすでに5枚リリースしている。EMIは2006年、ヤンソンスと複数の名門オーケストラ共演によるショスタコーヴィチの交響曲全曲録音を実現させ、プロジェクトはバイエルン放送響との演奏で締めくくられた。このアルバムはドイツでレコード批評家賞年間大賞を受賞したほか、フランスのル・モンド・ド・ラ・ミュジーク誌の年間賞、カンヌの国際音楽見本市MIDEMで最優秀レコーディング部門と最優秀交響楽レコーディング部門の2つを制するなど多数の賞を獲得。バイエルン放送響と収録したショスタコーヴィチ第13交響曲は、2006年に最優秀オーケストラ部門でグラミー賞を受賞している。
ヤンソンス個人にも、その功績を称えて数々の名誉賞、勲章が贈られてきた。ウィーン楽友協会および英国王立音楽院の名誉会員であり、ノルウェーからはオスロ・フィルへの貢献に対してアンダース・ヤーレ文化勲章、そして同国が外国人に贈る最高栄誉であるノルウェー王国功労星章が授与されている。また1996年にEMIの「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」、2003年にはベルリン・フィルの「ハンス・フォン・ビューロー・メダル」、2004年にはロンドンのロイヤル・フィルハーモニック協会の「コンダクター・オブ・ザ・イヤー」、2006年には音楽見本市MIDEMの「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」に選出され、母国のラトヴィア共和国からは最高栄誉賞である三ツ星メダルが贈られた。2007年にはウィーン市から金メダル、バイエルン功労章、ヨーロッパ文化財団「プロ・エウロパ」からヨーロッパ指揮者賞、ドイツ・レコード業界のアカデミー賞ともいわれるエコー・クラシック賞「コンダクター・オブ・ザ・イヤー」、そして2009年にはオーストリア科学芸術名誉勲章が授与された。
2006年元旦、伝統あるウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートにデビュー。世界60のテレビ局を経由して5000万人以上が視聴し、音楽ファンに絶賛された華麗なステージは今も語り草となっている。
バイエルン放送交響楽団
Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
バイエルン放送交響楽団は、オイゲン・ヨッフムによって1949年に創設された。またたく間に国際的な実力派として頭角を現した同オーケストラは、世界的名声を年々高め、積極的な演奏旅行を通じてその評価は今や揺るぎないものとなっている。
バイエルン放送交響楽団の歴史は、歴代の首席指揮者たち(その全員がバイエルン放送響合唱団の首席指揮者を兼任)と密接に結びついている。オイゲン・ヨッフム(1949-1960年)、ラファエル・クーベリック(1961-1979年)、サー・コリン・デイヴィス(1983-1992年)、ロリン・マゼール(1993-2002年)である。
同オーケストラの客演指揮者リストには、カルロス・クライバー、カール・ベーム、サー・ゲオルグ・ショルティ、カルロ・マリア・ジュリーニ、ヴォルフガング・サアヴァリッシュなどの名が並び、彼らは楽団に不滅の財産を残した。現在は、ベルナルト・ハイティンク、リッカルド・ムーティ、エサ=ペッカ・サロネン、フランツ・ウェルザー=メストが客演の常連であり、定期的にミュンヘンの指揮台に登っている。また、バイエルン放送響は、レナード・バーンスタインとの共演を継続的に維持したドイツで唯一のオーケストラである。1945年に創設された<ムジカ・ヴィーヴァ>に関連した演奏活動に見られるように、現代音楽への取り組みはバイエルン放送響の歴史を貫く古くからの伝統である。このシリーズでは、大半の演奏会で作曲家自身を指揮台に迎えており、イゴール・ストラヴィンスキー、ダリウス・ミヨー、パウル・ヒンデミット、ピエール・ブーレーズ、より最近では、カールハインツ・シュトックハウゼン、マウリツィオ・カーゲル、ルチアーノ・ベリオ、ペーテル・エトヴェシュなどがその例に挙げられる。シリーズのこうした手法が、後世まで語り継がれるような現代音楽の名演を生み出し、地元ミュンへンの聴衆たちはその立会人であり続けるという恩恵にあずかっているのである。
また、ここ数年は新たな方向性として古楽の演奏にも力を入れ、トーマス・ヘンゲルブロック、ニコラウス・アーノンクール、トン・コープマンなど、古楽器演奏の名手として鳴らした指揮者たちとの共演も実現させている。
レコーディングにも継続的に取り組んでおり、バイエルン放送響の膨大なディスコフラフィの拡充に貢献している。ショスタコーヴィチの交響曲第13番は、2006年にグラミー賞(最優秀オーケストラ部門)を受賞した。
2008年12月、バイエルン放送響は、英国の音楽雑誌「グラモフォン」が行なった調査により、世界オーケストラのベスト・テンのひとつに選ばれた。
2003年、楽団員の全員一致で首席指揮者に就任したヤンソンスは、惰性を許さず完璧主義を貫きながらも、その誠実さと包容力で奏者たちを魅了し、両者の強力なコンビネーションが実を結んで名門楽団に新たな黄金期をもたらした。バイエルン放送響は今年、創設60周年。その伝統の響きのエッセンスを改めて満喫させてくれるにちがいない。
五嶋みどり(ヴァイオリン)
Midori
国連平和大使を務めるヴァイオリニスト五嶋みどりは、11歳でニューヨーク・フィルと楽壇デビュー。以来、バーンスタイン、アバド、メータ、小澤、ラトル、スターン、ズッカーマン、ヨーヨー・マ、ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、パリ管、コンセルトヘボウ管などと共演、幅広い演奏活動を続けている。
音楽を通じた地域社会貢献活動にも積極的に取り組み、1992年ニューヨークに「Midori&Friends」と「みどり教育財団東京支部」を設立。2002年より日本ではNPO法人「ミュージック・シェアリング」として引き継ぎ、アジア圏にも活動を広げ、米国でも目的に合わせた企画や団体を組織するなど、その活動は社会に影響を与え、支持を得ている。
現在南カリフォルニア大学音楽学部の「ハイフェッツ・チェアー」と弦楽学部長を兼務。世界各地でもマスタークラスを開くなど後進の指導を行う。
社団法人林原共済会よりガルネリ・デルジェス「エクス・フーベルマン」を終身貸与される。
CDはソニー・クラシカルよりリリース。
五嶋みどり公式ホームページ:http://www.gotomidori.com/japan/
この公演は終了しました
会場の倉敷市民会館が耐震補強工事で休館していたため、みなさまには大変長らくお待たせしておりました。くらしきコンサートのオーケストラ公演、2年ぶりのご案内です。
かつてこの同じステージで万雷の拍手を浴び、大反響を呼んだ名手たちの豪華な競演をこの秋、お届けいたします。
3年前、流麗なタクトで私たちを陶酔させた世界的指揮者マリス・ヤンソンス(第78回くらしきコンサート)。
このたび率いるバイエルン放送交響楽団は、前回指揮したコンセルトヘボウ管と同様彼が手がけるもうひとつの大切なパートナーであり、ドイツが世界に誇る屈指の名門オーケストラです。
同楽団も、くらしきコンサートは2回目。初回(第57回)はロリン・マゼールの指揮、樫本大進のヴァイオリンでした。
そして今回のソリストには、今や音楽界に確固たる地位を築いたヴァイオリニスト、五嶋みどりが登場。過去2度のリサイタル(第30回・第41回)でヴァイオリンがもつ驚異的な力と美しさを伝えてくれた彼女が、くらしきコンサートでは初めてオーケストラとともに協奏曲を披露します。
実はこの顔合わせは2005年にも日本で共演し、お互いに敬愛の心で結ばれている間柄。
五嶋みどりが、彼らとの演奏を「特別な喜び」と語るほど音楽的な絆も強く、それぞれの個性が響きあうさまは聴き逃せません。
なお、本公演につきましては、倉敷市民会館リニューアル・オープン記念として倉敷市文化振興財団のご協力を得たことで、特別料金でお楽しみいただけることになりました。超一流の顔ぶれがそろった、またとないコンサートです。みなさまと、最高のかたちでオーケストラの感動を分かち合える秋の一夜を楽しみにお待ち申し上げております。