第87回くらしきコンサート
ヒラリー・ハーン ヴァイオリン・リサイタル ヴァレンティーナ・リシッツァ(ピアノ)
2011年3月17日(木)19時(開場18時30分)
■会 場
倉敷市民会館
■プログラム
タルティーニ(クライスラー編曲) : コレッリの主題による変奏曲
ベートーヴェン : ヴァイオリン・ソナタ 第5番 ヘ長調 op.24 「春」
アイヴズ : ヴァイオリン・ソナタ 第4番 「キャンプの集いの子供の日」
* * *
J.S.バッハ : 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第1番 ロ短調 BWV1002
アンタイル : ヴァイオリン・ソナタ 第1番
※演奏者の都合により曲目・曲順は変更になる可能性もございます。あらかじめご了承ください。
■入場料(全席指定)
- S:7,000円
- A:5,000円
- B:3,000円
学生:1,000円〔小学生~25歳までの学生:当日指定・前売のみ限定100〕
◎車いすを使用される方は、ホール所定の専用スペースでご鑑賞いただきます。希望される方は、くらしきコンサートまでお知らせください。入場料として、本公演ではB相当3,000円を申し受けます。ただし、S席・A席を購入された方が車いすで来場された場合、B券との差額をご返金することはできませんので、あらかじめご了承ください。
※本公演の学生券は「郷土の中高校生にクラシック音楽をプレゼントする会」のご協賛により助成をいただいております。
■座席イメージ図(1974席)
※座席表は倉敷市民会館HPよりご覧下さい。
※ご入場は小学生以上の方とさせていただきます。
※お子様のお膝の上でのご鑑賞はご遠慮いただいております。必ずお1人様1枚チケットをお求めください。
※当日は会場に託児所をご用意いたします。
ヒラリー・ハーン(ヴァイオリン)
Hilary Hahn
1979年、アメリカ・ヴァージニア州レキシントン生まれ。3歳でボルティモアに移り、ピーボディ音楽院のスズキ・メソッド・プログラムでヴァイオリンを始めた。その後、レニングラード音楽学校のベテラン名教師として知られていたクララ・ベルコヴィチ女史に師事。10歳でフィラデルフィアのカーティス音楽院に入学し、イザイ最後の門下生として著名なヤッシャ・ブロツキー氏から17歳まで指導を受けた。16歳で卒業要件を満たしたあとも引き続き音楽院で学び、語学や文学を聴講しながらハイメ・ラレード氏に師事。さらにフェリックス・ガリミア、ゲイリー・グラフマン両氏のもとで室内楽の研鑽を積んだ。
12歳でボルティモア交響楽団とメジャー・オーケストラ・デビューを果たし、1995年にマゼール指揮バイエルン放送交響楽団と共演して15歳でドイツ・デビュー。その翌年にはフィラデルフィア管弦楽団のソリストとしてカーネギー・ホールにもデビューした。1999年カーティス音楽院卒業。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と初共演し、翌2000年には同楽団日本ツアーのソリストを務めて初来日を飾った。現在ヨーロッパ、アジア、北米各地で、世界の一流オーケストラとの共演やリサイタル活動を定期的におこなっている。
17歳でデビュー盤をリリースして以来、ドイツ・グラモフォンとソニーからアルバムやDVD、サウンドトラック、子どものための録音などを発表。録音したレパートリーは、バッハ、ストラヴィンスキー、エルガー、ベートーヴェン、モーツァルト、パガニーニ、シュポア、バーバー、バーンスタイン、コルンゴルトなど多岐にわたり、グラミー賞、ディアパゾン・ドールなど栄誉ある賞も数多く受賞している。2008年発表のシェーンベルクとシベリウスの協奏曲は、ビルボード誌のクラシック・チャートで初登場1位となり、続く23週間チャートに入った。アメリカの人気作曲家ジェニファー・ヒグドンが彼女のために書いたヴァイオリン協奏曲(2009年初演)と、チャイコフスキーの協奏曲を収録したアルバムは、日本では2010年5月にリリース。DVDは、ロード・ムービー・スタイルのドキュメンタリー『ポートレート』や、2007年ヴァチカンでおこなわれたローマ法王ベネディクト16世の80歳の誕生日を祝うコンサートに、ソリストとして出演したライヴ収録などがある。
ハーンはYouTubeで自らのビデオチャンネルをプロデュースし(http://www.youtube.com/hilaryhahnvideos)、現代のクラシック音楽に関するブログである「セクエンツァ21」でゲスト・インタビュアーを務めている。また“ヴァイオリン・ケースが彼女の旅のパートナーとしての生活を語る”という設定で、ツイッターのアカウントが作られている(http://www.twitter.com/violincase)。
ヴァレンティーナ・リシッツァ(ピアノ)
Valentina Lisitsa
ウクライナ・キエフ生まれ。6歳で最初のソロ・リサイタルをおこなう。名門キエフ音楽院卒業後、数々の国際コンクールで受賞多数。1995年リンカーン・センターにおけるモーストリー・モーツァルト音楽祭でのニューヨーク・デビューを皮切りに、世界の舞台で活躍を続けている。
欧米オーケストラとの共演によるラフマニノフの協奏曲の全曲演奏、全米29都市を巡るリサイタル・ツアー、リスト編曲によるシューベルト「白鳥の歌」の世界初演などで注目を集めたほか、ミュンヘンでマーラー室内管と、さらにロサンジェルスでイ・パルピティ室内管と共演したショスタコーヴィチの協奏曲第1番は「まるで作曲者自身が演奏しているかのようだった」(ロサンジェルス・タイムズ紙)と絶賛を博した。
2008年にはウィーン楽友協会黄金のホールにリサイタル・デビュー、耳の肥えたウィーンの聴衆にスタンディング・オベーションで迎えられた。
熱心な室内楽奏者として、リン・ハレル、ロベルト・ディアス、イダ・ヘンデルらとも共演しており、近年はもっとも重要な音楽のパートナーであるヴァイオリニストのヒラリー・ハーンとツアーを重ねている。
CDはオーディオフォン・レーベルから、ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番、モーツァルトやプロコフィエフのソロ曲集などがリリースされており、いずれも高い評価を得ている。
この公演は終了しました
世界屈指の人気ヴァイオリニスト、ヒラリー・ハーンを、ようやく倉敷にお迎えできることになりました。
初来日は10年前、ベルリン・フィルのツアーにアバドとヤンソンス両巨匠の指揮でソリストとして登場し、クールな容姿と完璧な演奏で強い印象を残した、鮮烈な日本デビューでした。
常に冷静で、激情をあらわにしない彼女の演奏は知的といっても決して知に偏らず、超絶技巧さえ、まるで洗練されたお点前のように凛として優美。
さらにキャリアを積んで大人の女性に成長した今、ますます艶と深みを増した音色の美しさ、伸びのある力強さは、若手ヴァイオリニストの中でも間違いなくトップクラスといえるでしょう。
一流指揮者や著名楽団との共演も多く、華やかな舞台のイメージが強いかもしれませんが、実は室内楽でひときわ異彩を放っているのも彼女の大きな魅力です。
ハーンは、動きや表情で余計な“味付け”をせず、音楽で伝えたいことはすべてヴァイオリンに語らせることができます。
そんな当たり前のことが「才能」だったのかと新たな発見に興奮し、楽曲ごとに音色の変化を味わう楽しみも、リサイタルならでは。
「コンサートの主役は演奏者ではなく、音楽そのもの」とハーン自身が言うように、演奏を通じて聴衆が真に音楽の感動と出合える瞬間を求めて、近年はジャンルの壁さえ飛び越え、果敢に試行錯誤を重ねてきました。
彼女のリサイタルは、まさにひとつひとつがその集大成なのです。
待望のハーン倉敷公演。
ヴァイオリンの極上の響きに包まれて、春の宵、美しいひとときをお過ごし下さい。