第94回くらしきコンサート
くらしきコンサート創立30周年記念 パーヴォ・ヤルヴィ指揮 パリ管弦楽団 ソリスト/ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(ピアノ)、ティエリー・エスケシュ(オルガン)
2013年11月9日(土)19時(開場18時30分)
■会 場
倉敷市民会館
■プログラム
シベリウス:組曲「カレリア」 op.11
リスト:ピアノ協奏曲 第2番 イ長調 S.125 [ピアノ/ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ]
***
サン=サーンス:交響曲 第3番 ハ短調 op.78 「オルガン付き」 [オルガン/ティエリー・エスケシュ]
※演奏者の都合により曲目・曲順は変更になる可能性もございます。あらかじめご了承ください。
■入場料(全席指定)
- S:23,000円
- A:19,000円
- B:14,000円
- C:9,000円
学生:1,000円〔小学生~25歳までの学生:当日指定・前売のみ限定100〕
◎車いすを使用される方は、ホール所定の専用スペースでご鑑賞いただきます。希望される方は、くらしきコンサートまでお知らせください。入場料として、本公演ではB相当14,000円を申し受けます。ただし、S席・A席を購入された方が車いすで来場された場合、B券との差額をご返金することはできませんので、あらかじめご了承ください。
※本公演の学生券は「郷土の中高校生にクラシック音楽をプレゼントする会」のご協賛により助成をいただいております。
■座席イメージ図(1974席)
※座席表は倉敷市民会館HPよりご覧下さい。
※ご入場は小学生以上の方とさせていただきます。
※お子様のお膝の上でのご鑑賞はご遠慮いただいております。必ずお1人様1枚チケットをお求めください。
※当日は会場に託児所をご用意いたします。
パーヴォ・ヤルヴィ(音楽監督)
Paavo Jarvi, Music Director
1962年、エストニアのタリン生まれ。エストニアで広く名を知られた指揮者、父ネーメ・ヤルヴィによって音楽の手ほどきを受ける。1968年、父が当時のソヴィエト体制下では禁じられていた作品を指揮し、芸術の自由を求めるこうした行動が政治的な問題に発展して、一家は1980年アメリカに移住。パーヴォはニューヨークのジュリアード音楽院、ついでフィラデルフィアのカーティス音楽院で学び、ロサンゼルス・フィルハーモニックの指揮者講習でバーンスタインの指導を受ける。
やがてマルメ交響楽団の音楽監督就任で初めて常任ポストに就き(1994-97)、ストックホルム王立フィルハーモニー管弦楽団(1995-98)、バーミンガム市交響楽団(1995-98)の首席客員指揮者に就任。さらにシンシナティ交響楽団とは初共演直後に早くも音楽監督を打診され、2001年以来活動を共にしている。2003年には、数年間にわたり共演してきたフランクフルト放送交響楽団(現・hr交響楽団)の音楽監督に就任。翌04年にはドイツ・カンマーフィルハーモニーの芸術監督となり、ベートーヴェンの交響曲全曲を録音して絶賛を浴びた。
録音はすでに50タイトルにのぼるが、中でも2003年にリリースされ、エストニア国立交響楽団および国立男声合唱団、エラーハイン少女合唱団との録音によるシベリウスのカンタータは、エストニア初のグラミー賞を受賞。ソヴィエト時代を脱しつつある祖国を大いに鼓舞するものとなった。
2004年、パリ管弦楽団を初めて指揮。両者はたちまち意気投合し、その後06年07年と相次いで招かれ、2010-11年のシーズンから音楽監督に就任。客演の頃からニールセン、ベルク、シベリウス、バルトーク、コダーイ、ショスタコーヴィチと意欲的なプログラムを成功させ、さらにモーツァルト、ベートーヴェン、チャイコフスキー、プロコフィエフ、ドビュッシー、ビゼー、ブリテンなど幅広いレパートリーに挑戦しており、祖国エストニアのアルヴォ・ペルトにも取り組んでいる。
パリ管を率いる最初のシーズンを飾る録音として、ビゼーの作品を集めたCD(小組曲「子供の遊び」、交響曲第1番、組曲「ローマ」)が2010年に、翌年にはフォーレ「レクイエム」がリリースされた。
パリ管の音楽監督としては3期目の任に就いているが、契約は2015-16年シーズン末まで延長されることが決まっている。また同職に専念するためシンシナティ響のポストを退いたが、偉業が評価されて現在はシンシナティ響の桂冠音楽監督に任命されている。そして日本においては2015年9月から、NHK交響楽団の首席指揮者に就任する。
フランスにおける音楽文化への貢献が評価され、フレデリック・ミッテラン文化・通信大臣からフランス芸術文化勲章(シュヴァリエ)を授与されている。
パリ管弦楽団
Orchestre de Paris
ベルリオーズやドビュッシー、ラヴェルはもちろん、作曲当時のベートーヴェンやメンデルスゾーンの作品をフランス初演した歴史的オーケストラ「パリ音楽院管弦楽団」(1828年創設)が1967年に発展的に解消し、シャルル・ミュンシュを初代音楽監督に迎えて再組織された。ミュンシュの急逝後、ヘルベルト・フォン・カラヤンが71年まで音楽監督を務める。その後、サー・ゲオルク・ショルティ、ダニエル・バレンボイム、セミヨン・ビシュコフ、クリストフ・エッシェンバッハが歴代首席指揮者として続き、2010年からパーヴォ・ヤルヴィが就任した。
パリ管弦楽団は、ドイツ系指揮者の薫陶を多く受けてきたにもかかわらず、一貫して華やかな音色美を誇り、フランス名門の伝統を世界に知らしめてきた。同時代作品の紹介に情熱を注いできたことも同楽団の特質のひとつである。ブーレーズが創設した室内楽団「アンサンブル・アンテルコンタンポラン」との共同企画をはじめ、近年は20-21世紀音楽の演奏活動において、すぐれた功績が評価されている。メシアン、クセナキス、ランドフスキ、武満、ベリオらの作品を初演し、2007年に「アンリ・デュティユーへのカルト・ブランシュ」と「ブーレーズ・チクルス」、2008年には「オリヴィエ・メシアンへのオマージュ」と銘打った演奏プロジェクトを成功させた。
定期的に海外公演をおこない、ニューヨークのカーネギーホール、ウィーン楽友協会、ベルリンのフィルハーモニー、アムステルダムのコンセルトヘボウなど著名なホールと密接な関係を築いている。1980年代初頭以来、アジア・ツアーも回を重ねてきた。また、BBCプロムス、ウィーン、エクサンプロヴァンス、ルツェルン、ザルツブルク、グラナダ、サン・セバスティアン、ストラスブールなど各地の音楽祭にもたびたび招かれている。
長年にわたり定期公演の一環として、室内楽コンサートのシリーズもおこなわれてきた。これはオルセー美術館、アテネ・ルイ・ジューヴェ劇場などパリの施設とパリ管弦楽団の楽員が連携して企画するもので、若い人たちのためのコンサート、ワークショップ、学校へのアウトリーチ、公開リハーサルなども含まれる。2003年にエッシェンバッハの提唱で始まった「パリ管弦楽団アカデミー」では、パリ国立高等音楽院とパリ地方音楽院の学生に助演としてオーケストラの公演に加わる機会を与えている。
多彩な活動はレコーディングにも反映しており、現代の作曲家への委嘱作品、知られざる作品はもちろん、フランス音楽、ことにベルリオーズへの忠誠も忘れていない。最近のリリースには、ルーセルの交響曲全曲、ベリオ「スタンツェ」の没後初演、デュサパン「ア・クィア」、ダルバヴィ「チャッコーナ」、ツェムリンスキー「抒情交響曲」、ベルリオーズ「幻想交響曲」、ラヴェルのオーケストラ作品などがある。ミュンシュ指揮「幻想交響曲」、カラヤン指揮のフランクの交響曲ニ短調は、今も歴史的録音として愛聴されている。また、数年前からはマーラー交響曲全曲公演などコンサートを映像収録してリリース。さらに「アルテ・ライヴ・ウェブ」でコンサートの模様をインターネットで配信している。
現在の本拠地ホールは、サル・プレイエル。楽団員はジャン=ルイ・シェレルがデザインした衣装を着用している。
ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(ピアノ)
Jean-Frederic Neuburger, Piano
1986年生まれ。8歳からピアノを始める。パリ音楽院でJ=F・エッセール、J・ケルネル、I・ゴラン、Ch・イヴァルディ、M=F・ブッケに師事。ピアノ、伴奏、室内楽の各クラスで最高位を得て、17歳で卒業。2004年、ロン=ティボー国際コンクールで4つの賞を受賞。2006年、ニューヨークのヤング・コンサート・アーティスト国際オーディションで優勝、同年12月、カーネギーホール、ワシントンDCのケネディ・センターでリサイタルをおこない、アメリカ・デビューを果たす。
ヴェルビエ、オーヴェル・シュル・オワーズ、モンペリエ・フランス放送、ピアノ・オ・ジャコバン、ラ・ロック・ダンテロン、メントン、ドメーヌ・フォルジェ、オランジェリー・ドゥ・ソー、バガテル・ショパン・フェスティバル、ラ・フォル・ジュルネ(ナント、リスボン、東京)、ドュシニキ・ショパンなど数々の国際音楽祭で演奏を重ねるほか、ルーヴル美術館、オルセー美術館、ロンドンのキングス・プレイス、ダルムシュタットのショパン協会、サントリーホールなどでもリサイタルを開催。2010-11年シーズンは、ヨーロッパ・コンサートホール協会から"ライジングスター"の栄誉を与えられ、最も重要とされるヨーロッパ11箇所のホールで演奏会をおこなった。
これまでに、ロリン・マゼール、ジョナサン・ノット、クシシュトフ・ペンデレツキ、準・メルクル、大植英次、デヴィッド・アンガス、ケン・シェ、マイケル・ティルソン・トーマス、オスモ・ヴァンスカ、ミッコ・フランクらのもと、ロンドン・フィル、バンベルク響、N響、大阪フィル、上海フィル、フランス国立放送フィル、モンペリエ国立管、オーヴェルニュ管、リヨン管、ニューヨーク・フィル、香港シンフォニエッタ、リエージュ・フィル、ジョルジュ・エネスコ国立フィルハーモニー、ニューワールド・シンフォニー、フィラデルフィア管、パリ管などと共演している。
CDデビューは16歳で録音した「ショパン:練習曲全集」。その他、ショパン作品とリサイタルのライブ録音が収められた2枚組CD、「ブラームス:ソナタ全集」をディスク・オヴェールからリリース。2007年からはミラレ・レーベルとシリーズを展開、「ツェルニー練習曲集:The Art of Finger Dexterity」、リサイタル・ライブ録音「Live at Suntory Hall」(2007)、「ブラームス:ソナタ集」、そしてベートーヴェンのハンマークラヴィーア・ソナタをメインに取り上げた「ベートーヴェン:ソナタ集」(彼自身のレクチャーDVD付)をリリース。2010年には、新進気鋭のチェリスト、タチアナ・ヴァシリエヴァとの共演によるショパンとアルカンの作品集がリリースされた。
2009年より、パリ音楽院で教授として後進の指導にもあたっている。
ティエリー・エスケシュ(オルガン)
Thierry Escaich, Organ
パリ音楽院で8つの1等賞(和声、対位法、フーガ、オルガン、即興、アナリーゼ、作曲、管弦楽法)を得て卒業。1991年、ストラスブール国際コンクールで即興の第1位入賞を果たした後、1997年にはモーリス・デュリュフレの後任として、サンテティエンヌ・デュ・モン教会(パリ)のオルガニストに任命された。
1995年、ヌーヴェル・アカデミー・ドゥ・ディスクのグランプリを受賞。Accordレーベルへの、彼自身のオルガン協奏曲、交響曲第1番、ファンタジー・コンチェルタンテの最新の録音は、2002年ディアパゾン賞を受賞した。パリ宗教芸術祭、シャルトル音楽祭、サン・ベルトラン・ド・コマンジュ、オーヴェル・シュル・オワーズ、ウェストミンスター、ボン、ミュンヘンなどの数々の音楽祭にも招かれている。
彼の作品は、第1回アンドレ・ジョリベ賞(1989年)や、フランス=アメリカ財団のフローレンス・ブルメンタル賞(1990年)ではアンリ・デュティユー、モーリス・オアナ、エリオット・カーター、マニュエル・ロザンタールといった錚々たる顔ぶれの審査委員が満場一致で選ぶなど、数々の国際賞を受賞している。1994年、フランス学士院はナディア&リリー・ブーランジェ賞を授与、フランス著作権協会(SACEM)は彼の交響曲にエルヴェ・デュガルダン賞(1993年)とジョルジュ・エネスコ賞(1999年)を授与した。1992年よりパリ音楽院の教授を務めている。
この公演は終了しました
「くらしきコンサート」は今年、創立30周年を迎えました。
ご来場下さったお客さまをはじめ関係者のみなさまの長年にわたるお力添えに深く感謝し、心から御礼を申し上げます。
30年という節目の年を記念して、この秋は世界屈指の名門パリ管弦楽団が登場いたします。
華やかな色彩美で知られる管楽器の音色はこの上もなく美しく、フランス音楽の演奏に関しては圧倒的な評価を確立しているパリ管。
その輝かしい伝統に新たな黄金期をもたらしているのが、2010年から音楽監督に就任した気鋭の指揮者パーヴォ・ヤルヴィです。
世界の熱い視線をあびて次々と好演を重ね続ける彼は、2015年秋からNHK交響楽団の首席指揮者にも就任が決定。日本での活躍とともに、今後ますます目が離せない指揮者です。
今回のプログラムは、ヤルヴィが得意とする北欧の作曲家からシベリウス、続いて、多感な思春期をパリで過ごしたリストのピアノ協奏曲、そして最後は、サン=サーンスの交響曲「オルガン付き」――初演直後に亡くなったリストへの献辞を添えて出版された作品。いずれもパリ管にとって大切なレパートリーというだけでなく、音楽家たちをつなぐ敬愛と友情が映し出された選曲です。
サン=サーンスのオルガンについては、パリ管とヤルヴィが2年前に、本拠地サル・プレイエルで電子オルガンによる演奏を成功させており、パイプオルガンのない倉敷会場でもこの形の再現となります。
また、共演のフランス人若手ピアニスト、ジャン=フレデリック・ヌーブルジェにもご注目。ヨーロッパ・コンサートホール協会が彼に与えた栄誉ある称号“ライジングスター”の名にふさわしい、瑞々しい音楽性をお楽しみ下さい。
本公演は倉敷市ならびに倉敷市文化振興財団のご協力を得てお届けいたします。
これからも、みなさまとの音楽のご縁をいただきながら、ご一緒に、この倉敷のまちで喜びのハーモニーを深めてゆきたいと思います。
みなさまのご来場を心よりお待ち申し上げております。