第97回くらしきコンサート
クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル
2015年11月19日(木)19時(開場18時30分)
■会 場
倉敷市民会館
■プログラム
シューベルト:後期ピアノ・ソナタ ほか
※演奏者の都合により曲目・曲順は変更になる可能性もございます。あらかじめご了承ください。
■入場料(全席指定)
- S:8,000円
- A:6,000円
- B:4,000円
学生:1,000円〔小学生~25歳までの学生:当日指定・前売のみ限定100〕
◎車いすを使用される方は、ホール所定の専用スペースでご鑑賞いただきます。希望される方は、くらしきコンサートまでお知らせください。入場料として、本公演ではB相当4,000円を申し受けます。ただし、S席・A席を購入された方が車いすで来場された場合、B券との差額をご返金することはできませんので、あらかじめご了承ください。
※本公演の学生券は「郷土の中高校生にクラシック音楽をプレゼントする会」のご協賛により助成をいただいております。
■座席イメージ図(1974席)
※座席表は倉敷市民会館HPよりご覧下さい。
※ご入場は小学生以上の方とさせていただきます。
※お子様のお膝の上でのご鑑賞はご遠慮いただいております。必ずお1人様1枚チケットをお求めください。
※当日は会場に託児所をご用意いたします。
クリスチャン・ツィメルマン
Krystian Zimerman
- 音楽に捧げる人生 -
1962年の聖ニコラウス祭の日、ポーランドのシュレージエンで6歳の少年のコンサートを聴いていた聴衆の感激は特別だった。
1963年の秋、6歳の少年はアンジェイ・ヤシンスキーに師事し本格的にピアノの研鑽を始めた。まもなくポーランド放送交響楽団の指揮者、ボフダン・ヴォディチコの目に止まり、翌年、ハイドン:ピアノ協奏曲第2番の共演に招かれた。それからの10年間は若干の公演以外にはヤシンスキー教授の考えによって、勉強と幅広いレパートリーの構築に捧げられた。
1975年ショパン国際ピアノ・コンクールでのセンセーショナルな優勝(第1位だけでなく全ての特別賞を受賞)により飛躍的に輝かしい音楽の世界へと昇りつめることになる。
しかし18ヶ月後、同時期にヘルベルト・フォン・カラヤンとレナード・バーンスタインが彼を呼び寄せた。1年後、小澤征爾とキリル・コンドラシンからも声がかかった。その後ピエール・ブーレーズとの長い付き合いが始まり、最終的にはボストン、シカゴ、ロサンゼルス、クリーヴランド、ベルリン、ウィーン、ロンドン、アムステルダムなどの偉大なオーケストラとの共演と録音が実現する。その録音の多くは音楽評論の世界で数多くの賞を受賞した。
今日に至るまで世界中のあらゆるメジャーなオーケストラや指揮者と共演を重ねているツィメルマンだが、コンサート活動のかたわら、1996年から2004年までの間、バーゼル音楽院の教授として若手の教育にも打ち込んだ。
1981年以来、クリスチャン・ツィメルマンはスイスに暮らしており、1990年代にはニューヨークに、そして2005年以降は東京にも拠点が増えた。この3大陸の異なった文化を体験し、経験することが非常に自身を豊かにすることにも役立っていると考えている。ツィメルマンは一度も政治団体や政党に属したことはないが、民主主義に危機が及ぶ時、自分の考えを敢然と表明する。彼は人類の問題の中で武器と戦争で解決しようとする全ての試みに対しても決然と反対する。
2012年はデビュー50周年を迎えたが、1年間の活動の休息をはさんで輝かしい再出発の年となった。
2013年は1月にルトスワフスキ生誕100年記念として本人に献呈された唯一のピアノ協奏曲を、パーヴォ・ヤルヴィ指揮パリ管弦楽団、エサ=ペッカ・サロネン指揮フィルハーモニア管弦楽団と共演。3月にはバーデンバーデンの復活祭音楽祭でサイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とブラームスのピアノ協奏曲第1番で共演し大成功を収め、各メディアが大きく取り上げ話題となった。ルトスワフスキのピアノ協奏曲も同じ組み合わせでレコーディングが実現した。ワルシャワの秋音楽祭でも演奏し絶賛された。また国からポーランド復興勲章を叙勲した。2014年11月マリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団とのブラームス:ピアノ協奏曲第1番が日本・アジアツアーで実現し、歴史的な公演となった。
この公演は終了しました
自分のピアノを持ち込み、自ら楽器を調整して臨む――。
クリスチャン・ツィメルマンの完璧主義は、世界に名だたるピアニストたちの中でも抜きん出ています。
その徹底した仕事ぶりから、近寄りがたい印象をもたれやすいのですが、実際はジョークで人を笑わせる愉快な一面もあり、相手を気遣う優しさと、一切の妥協を許さない厳しさ、どちらも彼の実直な人柄をあらわしているといえるでしょう。
ツィメルマンの音楽をこよなく愛する日本のファンは彼の流儀をよくご存知で、なかなか公表されない演奏曲目や録音盤への熱望を胸に秘めながら、辛抱強く情報をお待ちになっています。
そしてツアーが始まるや万難を排して馳せ参じ、一音も聴き漏らすまいと、文字通り息をのむようにして一期一会の演奏に集中されるのです。
こうした日本の熱心な聴衆について、彼は昨年のインタビューでこんなふうに語っていました。
―― 日本には、“私自身の聴衆”がいるのです。
数年前から年に3~4ヵ月は東京に暮らし、大地震にも遭遇した彼は、その時の人々の行動に感動して、日本人の正直さ、真面目さをいっそう敬愛するようになったとか。
真剣に耳を傾けてくれる日本の聴衆を前にしてピアノを弾くこと、それは自分の人生を問う、特別な体験なのです、と。
そんなツィメルマンの、5回目5年ぶりの倉敷公演です。
この地にまた彼をお迎えできる幸せをかみしめ、魂の調べに包まれる喜びを、みなさまと分かち合えますように。